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光回線は接続方式で速度改善も! 通信速度を高速化する方法・8選

光回線は接続方式で速度改善も! 通信速度を高速化する方法・11選

光回線は接続方式で速度改善も! 通信速度を高速化する方法・8選

光回線に変えたのに、大事なオンライン会議で接続が途切れてしまう、オンラインゲームを楽しんでいる途中でラグが発生してしまうなど、残念な経験をされた方もいるのではないでしょうか。

 

本記事では、まず、光回線なのに通信速度が遅い理由、そして用途に応じてどの程度の速度があれば快適なインターネット環境といえるのかを解説し、最後に通信速度を高速化する方法を紹介します。

 

ぜひ、最後までお読みいただき参考にしてみてください。

 

光回線なのに通信速度が遅い5つの理由

早速、光回線の通信速度が遅い場合に考えらえる理由を5つ紹介します。

 

理由1:パソコンや無線LANルーターのスペックや対応規格が古い

光回線の最大通信速度が1Gbpsだったとしても、パソコンや無線LANルーターが古いと通信速度の実測値は遅くなります。特にWi-Fiルーターには、通信規格が存在するので、注意が必要です。この通信規格が古いと、光回線が速くても、通信速度の実測値は低くなります。

 

たとえば、2009年に策定されたWi-Fi 4と呼ばれるIEEE 802.11nの通信規格では、最大通信速度が600Mbpsと規定されており、光回線の最大通信速度が1Gpsだとしても性能を活かしきれません。本記事の掲載から10年以上も前の通信規格なので、技術進歩の早い現代においては取り残されてしまうのも仕方ありません。

 

理由2:LANケーブルが劣化している

LANケーブルの耐用年数は一般的に20~30年といわれていますが利用状況によっては数年で劣化してしまうこともあります。たとえば、LANケーブルを曲げたり、圧迫したり、引っ張ったりすることでケーブルがダメージを受け劣化することがあります。ほかにもケーブル先端の差し込み口のプラスチック素材が欠けて接続が緩くなるなど、通信速度に影響する劣化が考えられます。

 

理由3:無線LANルーターの場所や接続数など環境の問題

無線LANルーターは、置く場所によっては電波が遮断され、通信速度低下につながる可能性があります。家電製品なども近くに置くと電波干渉が起こり、通信が不安定になります。

 

また無線LANルーターには「最大接続台数」が決まっています。現在の無線LANルーターは、30~40台ほど同時接続可能なため、自宅でそれを超えることはほぼないでしょう。ただし、接続台数が増えると、通信速度は低下します。

 

理由4:接続方式の問題

接続方式は、光回線を利用する上で、非常に重要な要素です。従来のPPPoE方式と呼ばれる接続方式では、必ず網終端装置(NTTフレッツ光網とインターネットプロバイダ間の接続機器)を経由します。夜間など、多数のユーザーが利用する時間帯は、網終端装置が混雑し、速度が遅くなりやすいのです。通信速度が遅い場合、PPPoE方式で接続していないか、契約中の光回線事業者に確認してみましょう。

 

他に急に速度が遅くなった場合は、光回線またはプロバイダ側で一時的に障害が発生している可能性も考えられます。通信障害が頻発したり、長時間に渡る場合は、契約中のプロバイダの公式サイトやSNSなどに情報が出ているか確認してみましょう。

 

理由5:配線方式の問題

光回線にも、配線方式が3種類あります。光配線方式、LAN配線方式、VDSL方式になります。この中でもっとも通信速度が速いのが光配線方式です。光配線方式は、電柱から共用部まで光ファイバーケーブルが一貫して引かれているので、電磁波などの外部からの影響を受けにくいという特徴があります。

 

ほかの配線方式は電柱から共用部までは光ファイバーケーブルが引かれているものの、共用部から各住戸までがそれぞれLANケーブル、メタル線になり電磁波の影響を受けやすいという特徴があります。

 

したがって、通信速度が遅い理由は配線方式がLAN配線方式、あるいはVDSL方式でないか確認してみましょう。

 

関連記事:光回線にも種類がある!マンションに導入済の「光回線の種類」を確認する方法

 

快適に利用できる回線速度の目安

では、インターネットを利用するときに、ストレスを感じることのない回線速度は、どれくらいでしょうか。回線速度の計測方法や、快適に利用できる回線速度の目安をお伝えします。

 

上りや下り、Ping値とは

インターネット回線は上りと下りに分かれて、それぞれに速度があります。上りは利用者がデータを送信(アップロード)する速さを、下りは、逆に、データを受信(ダウンロード)する速さを指します。後述しますが、これらの速度には目的別で快適に利用できる速度目安があります。

 

インターネット回線速度とは別にPing値と呼ばれる数値があります。Ping値は回線速度ではなく、通信の安定性を見る数値です。Ping値はデータを送受信するときの往復にかかる反応速度で、単位はms(ミリ秒)。低ければ低いほど、反応速度が速く、通信が高品質であることを証明します。

 

速度実測値の調べ方

現在のインターネット回線がどのくらい実測値として出ているかを測定できる方法を3つ紹介します。

 

みんなのネット回線速度(みんそく)

全国の人々が報告している、インターネット回線速度を知ることができます。都道府県別や光回線サービスの種類、インターネット回線プロバイダーによって分けて検索できるので、簡単に比較できます。

 

Fast.com

Fast.comは、大手動画サービスのNetFlixが提供する、回線速度測定サイト。サイトに訪れるだけで、下りと上りの回線速度を測定してくれます。世界中からどの端末でもアクセスができ、動画視聴サービスに向いている測定サイトです。

 

Googleのスピードテスト

Googleの検索欄に「スピードテスト」と入力して検索すると、現在の接続機器の通信速度を測定し、検索結果ページ上段に表示します。すぐに測定したい方にオススメの方法です。

 

快適に通信できる速度の目安

作業 上り(アップロード) 下り(ダウンロード)
メール 1Mbps 1Mbps
SNSやWEB閲覧 10Mbps以上
動画視聴 10Mbps以上 20Mbps以上
ビデオ会議 2Mbps以上 30Mbps以上
オンラインゲーム 30Mbps以上 30~100Mbps

「~以上」と表記されている速度目安は、利用するのコンテンツによって大きく変わります。

動画視聴やビデオ会議、オンラインゲームなど、データ通信を大容量で利用する際は、特に速い高速通信が求められます。

 

関連記事:通信速度の目安は?速さなら光回線一択!用途別に必要スピードを解説
 

通信速度を高速化する方法 ・8選

ここまで、光回線なのに通信速度が遅い理由と、用途に応じてどのくらいの通信速度があれば快適といえるのかについてみてきました。
これらを踏まえて、通信速度を高速化する方法を紹介していきます。

 

方法1:新しいWi-Fiルーターに買い替える

古いルーターを利用している場合、現在主流となっているWi-Fiルーターと比べ、最大通信速度は低くなります。

 

無線LAN規格の比較は下記の通りです。

策定時期 名称 通信規格 最大通信速度
2009年 Wi-Fi 4 IEEE 802.11n 600Mbps
2013年 Wi-Fi 5 IEEE 802.11ac 6.9Gbps
2019年 Wi-Fi 6 IEEE 802.11ax 9.6Gbps

例えば2023年現在であれば、主流であるWi-Fi5「11ac」や、最新の無線LAN規格であるWi-Fi6「11ax」がおすすめです。Wi-Fi4「11n」以前の古いものを使っている場合、これらに買い替えることで、通信速度を大幅に上げることが期待できます。

 

関連記事:光回線の最強Wi-Fiルーター5選!高速通信をムダにしない「本物」の機種

 

方法2:新しいOSを導入する

Wi-Fi 6「11ax」は、以前の無線LAN規格である、Wi-Fi 5「11ac」やWi-Fi 4「11n」対応のパソコンやスマホ、ゲーム機にも互換性があります。従って、Wi-Fiルーターを買い替える場合も、接続機器であるパソコンやスマホはそのまま問題なく利用できます。

 

しかし、ここで注意しなければならないのはWi-Fiでの通信はルーターと接続するデバイスの規格が違うと下位の規格でしか通信できないことです。たとえば、Wi-Fi 6に対応したルーターを購入したとしてもスマホがWi-Fi 5までしか対応していなければWi-Fi 5の規格が優先され、ルーターの性能を活かせないということになります。パソコンやスマホのOSをバージョンアップして対応できる場合は、導入してみましょう。

 

方法3:LANケーブルを買い替える

有線接続でパソコンなどを利用している方は、LANケーブルの規格も確認する必要があります。古いLANケーブルは通信速度の最大値が低いです。

以下はLANケーブルの規格と最大通信速度、伝送帯域を一覧にしたものです。

LANケーブル規格 最大通信速度 伝送帯域
Cat.5 100Mbps 100MHz
Cat.5e 1Gbps 100MHz
Cat.6 1Gbps 250MHz

例えばCat.5のLANケーブルは最大100Mbpsの通信速度です。仮にこれを使用すると、光回線の、最大通信速度が1Gbpsだったとしても、LANケーブルの性能で1/10に絞られてしまいます。

通信を高速化するには、1Gbps以上対応であるCat.5e以降の規格が推奨されています。

 

方法4:無線ルーターの場所を変える

無線LANの電波は障害物に弱いので、できるかぎり周りに障害物や遮蔽物を置かず、電波が家全体に行き届きやすい状況にします。

ルーターから部屋まで距離があるときは、中継器を設置すると、改善が期待できます。ルーターが1Fにあり、2Fのインターネット回線が弱い場合などに有効です。

 

関連記事:Wi-Fiルーターの置き場所は?自宅でのベスポジやNG場所、おしゃれな置き方も!

 

方法5:無線LANルーターの接続数を見直す

無線LANルーターには最大接続台数が決まっているため、同時に多くの機器を繋いでいると、通信速度が分散されます。通信速度が分散されると当然、1台あたりの通信速度は低下します。使っていない機器の接続を見直すことにより、通信速度の改善が図れます。

 

ただし、高性能の最新無線LANルーターには、回線速度に影響を与えないものもあります。どうしても接続台数が増えてしまうのであれば、ルーターを取り換えることをおすすめします。

 

方法6:モデムやルーターを再起動する

モデムや無線LANルーターを長時間起動させていると熱がこもり、不具合を起こしやすくなります。速度が遅くなる場合もあるので、いったん電源を落として5分ほど待って放熱しましょう。その後、電源を入れて再起動すれば不具合が解消される可能性があります。

 

方法7:接続方式やプロバイダーを変更する

先述の通り、光回線であっても、接続方式がPPPoE方式の場合は、ユーザーによるアクセスの集中で、通信速度が低下します。特に夜間や休日は、多くの方がインターネットを利用するので、速度低下が起こりやすいです。

 

もしご利用のインターネット接続方式がPPPoE方式の場合、新しい接続方式であるIPoE方式に切り替えることをおすすめします。
IPoE方式では、網終端装置を介さず直接インターネットに接続するため通信混雑が緩和され快適なインターネットの利用が可能となります。

 

IPoE方式に対応しているプロバイダでおすすめなのが、NTTドコモが運営する「ドコモ光」のプロバイダ「OCN インターネット」です。OCNインターネットでは、IPoE接続を標準提供しており、さらにWi-Fi 6対応のルーターも無償レンタルが可能です。光回線の性能を活かすための組み合わせとして申し分ないでしょう。プロバイダを変更する際には検討してみてはいかがでしょうか。

 

関連記事:OCNとは?OCN インターネットのメリット・デメリット

ところで、お住まいが集合住宅の場合は、上記以外にも注意すべき点があります。

 

通信速度が遅い理由のところでもかんたんに述べましたが、集合住宅では、電線から建物共用部まで引いてきた光回線を、3種類の配線方式のいずれかで各住戸までつなぐことになります。その際、VDSL方式と呼ばれる配線方式が採用されていれば、光配線方式に比べて通信速度が遅くなります。

 

VDSLとは

集合住宅の共用部から、各住戸に回線をつなぐための配線方式には、光配線方式、LAN配線方式、VDSL方式の3つがあります。

※VDSLは集合住宅に限定された配線方式です。一戸建て住宅は、すべて光配線方式です。

配線方式 最大通信速度(下り) ケーブルの種類
光配線方式 1Gbps 光ファイバー
LAN配線方式 100Mbps~1Gbps LANケーブル
VDSL方式 100Mbps 電話回線(メタルケーブル)

このうちVDSLは、特に、古い集合住宅で多く使われている方式です。VDSLは、配線に電話回線(メタルケーブル)が使われており、3つの方式の中で一番、通信速度が遅いのが特徴です。通信速度が遅くなる主な理由は下記の通りです。

 

理由1:VDSLはメタルケーブルを使っているから

前述したように、VDSLは集合住宅の共用部と各住戸を電話回線(メタルケーブル)で接続する方式です。電話回線は最大通信速度が100Mbps。他の配線方法に比べてかなり遅くなります。それに加えて集合住宅内で利用ユーザーが増えると、回線混雑の影響で実測値はかなり低くなってしまいます。

 

また、電話回線で使用するモジュラーケーブルは、電磁波によるノイズの影響を受けやすいという欠点もあります。ノイズの影響も受けると、距離が長くなるにつれて通信不安定になり、速度が低下していきます。

 

理由2:デジタル信号を利用しているため

光回線がVDSLで接続されている場合は、VDSLモデムがモジュラージャックから繋がっています。

 

VDSLは光配線の光信号と違い、光ファイバーで伝送された信号からVDSLモデムを使って、デジタル信号に変換されます。変換する過程で信号伝送が乱れたりすると、通信が途切れたりします。

 

また、デジタル信号には周波数帯域に制限があります。VDSLは高い周波数帯を利用しており、長距離伝送が苦手。推奨距離は1km以内とされており、それ以上の長い距離だと、デジタル信号はどんどん弱くなります。

 

方法8:戸建てタイプの光配線方式に変更する

ここまでの解説で光回線でも配線方式がVDSL方式の場合、通信速度が遅くなるということがわかりました。その上で、難易度は高いですが、集合住宅の部屋へ外部から直接光ファイバーを引き込む、戸建てタイプの光配線サービスを申込む方法があります。

 

ただし、工事が必要なため、オーナーや管理会社の許可が事前に必要となります。多くの場合、工事費がかかり、月額利用料も高くなりますので、注意してください。

 

関連記事:VDSL方式が原因?VDSL方式の特徴と、光回線なのに回線が遅い場合の対策
 

まとめ

本記事では、光回線なのに通信速度が遅い原因と、通信速度を高速化する方法を紹介してきました。光配線方式については、オーナーや管理会社との交渉が必要などハードルが高いかもしれませんが、デバイスの再起動など自身ですぐ試せる方法もあります。

 

インターネットの接続方式やルーターの性能の問題であれば、プロバイダを変更することで改善することができます。NTTドコモが運営する「ドコモ光」のプロバイダ「OCN インターネット」であれば、IPoE接続を標準提供しており、Wi-Fi 6対応のルーターも無償レンタルが可能です。

 

通信速度を高速化するには、このようにいくつかの方法があります。ぜひ、参考にしてみてください。
この記事が少しでも参考になれば幸いです。

編集部

「gooネット回線についての総合情報サイト」の編集部です。 光回線やプロバイダ、Wi-Fiルーターなどネット回線にまつわる情報を幅広く発信しています。みなさまのお役に立てれば幸いです。