
NTT東日本・西日本が提供する「フレッツ光」は非常に知名度が高く、契約者数が多いため候補として検討する方は多くいます。しかし誰にとってもおすすめとは言い切れません。理由として「もっと安い光回線が沢山ある」「スマホとのセット割がない」などのデメリットがあるからです。もちろん「サポート力が高い」などのメリットも同時にあるので、あなたが損せず光回線を選べるよう、この記事ではメリット・デメリットなどを分かりやすくまとめていきます。
「フレッツ光」とは、NTT東日本・西日本が提供する光インターネット回線サービスの総称で、Bフレッツやフレッツ光ネクストなどがあります。フレッツ光の最初のサービス・Bフレッツは2001年に登場し、「従来のADSLよりも大幅に高速でインターネットができる」として瞬く間に普及しました。ADSLは従来のアナログ電話ケーブルを、高速インターネット用に利用した回線です。しかし光ファイバーケーブルでインターネット接続する光回線はさらに高速で、例えばBフレッツの平均ダウンロード速度はADSLの約8倍。(参考:みんなのネット回線速度(みんそく) )フレッツ光ネクストなど新しいサービスも次々登場し、光回線は現在までずっと主流の通信規格となっています。
フレッツ光のメリットは、主に以下の3つが挙げられます。
1つずつ詳しく見ていきましょう。
NTT東日本・西日本は全国の多くの地域で、いち早く フレッツ光 として光回線の提供を始めました。提供年数が長く、NTT東日本・西日本の光回線提供エリアが非常に広い 、という点も信頼に繋がっています。
「光コラボレーションモデル」(以下、光コラボ) などは最初から「プロバイダ」が決まっていますが、フレッツ光はプロバイダを別途選んで契約する仕組みです。プロバイダとは、契約した回線を使えるようにインターネット接続してくれる担当者のようなもの。プロバイダごとに料金に違いがあったり、サービス充実度が異なったりするので、プロバイダ選びも実は重要です。自分の好きなプロバイダを選べる、という自由度の高さはフレッツ光のメリットの1つと言えるでしょう。
フレッツ光はオプションや問い合わせサポートが、インターネット業界でも特に充実しているとの評価がされています。NTT東日本・西日本には「ひかり電話」「リモートサポート」 など、オプションが豊富に揃っています。NTT東日本・西日本 は元々電話の会社なので、やはり電話サービスには強いです。またサポート力の高さも強みです。「利用者が多いから問い合わせが繋がらないことも多いのでは?」と思われるかもしれません。しかしNTT東日本・西日本は問い合わせ内容の種類に応じた複数の電話番号を用意していたり、スタッフを厚めに揃えていたりしています。 この点は大きなメリットだと言えます。
長年の人気があり、契約者が多いフレッツ光にもデメリットは当然あります。フレッツ光のデメリットは、主に以下の3つが挙げられます。
1つずつ詳しく見ていきましょう。
光回線名 | 月額料金 (戸建て) |
月額料金 (マンション) |
---|---|---|
フレッツ光(NTT東) | 5,170円~ | 3,795円~ |
フレッツ光(NTT西) | 4,730円~ | 3,575円~ |
ドコモ光 | 5,720円 | 4,400円 |
ソフトバンク光 | 5,720円 | 4,180円 |
楽天ひかり | 5,280円 | 4,180円 |
ぷらら光 | 5,280円 | 3,960円 |
OCN 光 | 5,610円 | 3,960円 |
ビッグローブ光 | 5,478円 | 4,378円 |
So-net光プラス | 6,138円 | 4,928円 |
※価格はすべて税込表示
※通信速度最大1Gbpsの光回線商品で比較
※最も主流な料金割引サービス(にねん割など)適用後の料金
上の表はフレッツ光と、主な光回線を月額料金で比較したものです。一見横並びの料金に見えるかもしれませんが、フレッツ光はプロバイダと別途契約する必要があるため、ここからさらに1,000円程度プラスされます。この点を考えると、フレッツ光の割高感は否めません。
光回線名 | 平均ダウンロード速度 | 平均アップロード速度 |
---|---|---|
フレッツ光(NTT東) | 273.51Mbps | 244.95Mbps |
フレッツ光(NTT西) | 262.09Mbps | 206.62Mbps |
ドコモ光 | 269.45Mbps | 208.20Mbps |
ソフトバンク光 | 315.20Mbps | 212.92Mbps |
楽天ひかり | 215.72Mbps | 186.38Mbps |
ぷらら光 | 265.45Mbps | 180.68Mbps |
OCN光 | 273.01Mbps | 194.46Mbps |
ビッグローブ光 | 255.14Mbps | 206.23Mbps |
So-net光プラス | 304.50Mbps | 225.42Mbps |
※参考:みんなのネット回線速度(みんそく)
※2022年1月末時点で集計した平均速度
※IPoE接続、PPPoE接続両方含めての平均速度
※フレッツ光(NTT東日本)は東京、フレッツ光(NTT西日本)は大阪で計測した平均速度
フレッツ光より後に誕生した光回線は、どの会社においても全く新しい事業ということで、少なくとも光コラボが誕生した2015年頃は サービスが不安定な面が少なからずありました。そのためフレッツ光は通信の安定性でリードしていましたが、時間が経つごとに通信速度の速さ・安定性の優位性はどんどん小さくなっています。
以前のフレッツ光では、高額キャッシュバックなどのキャンペーンがよく開催されていました。しかし2015年に光コラボが始まってからは、NTT東日本・西日本はフレッツ光にあまり力を入れなくなっています。どちらかと言うと法人向けに力を入れるようになり、キャッシュバックも法人対象のものが多いです。そのため、個人で新しく光回線を検討している人にとっては、あまり得にならない可能性が高いです。
光コラボとは、従来NTT東日本・西日本が提供してきた光回線を、様々な会社に貸し出してサービス運営を任せる仕組みです。2015年に開始して以来、利用者にとって新たな選択肢となり、大きな注目を集めました。
光コラボにはいくつかのメリット・デメリットがあります。メリットに関しては、主に以下の3つが挙げられます。
フレッツ光は信頼性・安定性が強みでしたが、プロバイダは別会社なので何か起きた際の問い合わせ先が2ヶ所になり、面倒で煩雑という弱みもありました。しかし光コラボはプロバイダとセットなので問い合わせ先が一本化できて、非常にスムーズになっています。また光コラボはフレッツ光の回線を利用しているので、元々フレッツ光の利用者は新たに開通工事が不要。そのため転用(光コラボへのスムーズな移行手続きのこと) が楽、という特徴があります。さらに光コラボはフレッツ光より月額料金が安かったり、キャンペーンが多かったりする特徴もあります。フレッツ光は法人向けに力を入れているため、個人向けには光コラボの方が強くなっていますし、各社が競って月額料金の安さやキャンペーンの充実を図っているのです。
光コラボのデメリットに関しては、主に以下の2つが挙げられます。
フレッツ光から光コラボに変えると、「転用」扱いになります。しかし光コラボから他の光コラボに変えると、今度は「解約」からの「新規契約」扱いになるのです。そのため他の光コラボに変えた際、ひかり電話の電話番号も変わってしまう場合があります。 ただしこれは、以前の光コラボで電話番号を新規発行していた場合の話です。元々のNTT東日本・西日本 の電話番号を引き続き使っていた場合、電話番号が変わってしまうことはありません。またフレッツ光から光コラボに転用すると、会員制クラブ(NTT東日本は「フレッツ光メンバーズクラブ」、NTT西日本は「CLUB NTT-West」)でそれまで貯めていたポイントが消滅します。これらのクラブではフレッツ光の利用に応じてポイントが貯まり、商品と交換することができます。しかしこれはフレッツ光利用者限定クラブなので、光コラボに転用すると即退会となり、ポイントも即消滅です。忘れずにポイントを使い切ることが必須でしょう。
NTT東日本・西日本 の光回線・フレッツ光についてまとめると、以下のようなことが言えます。
フレッツ光の通信速度での強みは小さくなってきており、月額料金が安かったりキャンペーンが豊富だったりする光コラボに注目が集まっています。もちろんフレッツ光にもいい部分はあるので、この記事が、あなたの最も納得できる光回線を選ぶ参考になれば幸いです。