プロバイダの変更方法は?注意点やプロバイダの選び方を解説
目次
プロバイダの変更方法は?注意点やプロバイダの選び方を解説
現在使っているプロバイダの料金が高い、接続が安定しないなどの理由で、プロバイダの乗り換えを検討されている方もいらっしゃるでしょう。
プロバイダの乗り換えとは
インターネットを利用するユーザーにとって、通信速度の品質や利用料金の見直しの際、プロバイダ選びは非常に重要です。
プロバイダとは、光回線などのインターネット回線と接続端末をつなぐ、仲介的な役割の事業者のことです。インターネット回線がネットワークにつながる道とするなら、プロバイダは道に通じる入口。プロバイダ契約をしなければ、インターネットにつなぐことができないほど重要な存在です。
光コラボレーション事業者は、どこも同じフレッツ光の回線を利用しているにもかかわらず、プロバイダ次第で通信速度や回線の安定性が異なります。また、利用料金やキャンペーンもプロバイダごとに設定されているので統一されているわけではありません。そのため、プロバイダ選びや乗り換えは慎重に行う必要があります。
関連記事:光コラボとは?光回線の選びかたとおすすめポイントを解説!
プロバイダを乗り換えるパターン3つ
プロバイダを乗り換える(変更する)パターンは3つ。それぞれの変更方法を解説します。
パターン1:プロバイダのみ変更する
プロバイダのみの変更に対応している光回線は、フレッツ光が代表的です。現在は前述の光コラボレーションのようにプロバイダと一本化で契約するスタイルが主流のため、プロバイダだけを変更できる光回線は限られています。
プロバイダのみ変更できる光回線一例
- フレッツ光
- ドコモ光
- コミュファ光
現在の光回線を利用しながらプロバイダのみを変更する場合、変更手続きは光回線事業者ではなくプロバイダに申請しなければなりません。契約が光回線とプロバイダで分かれているため、契約期間や利用料が別途で発生するので注意しておきましょう。
※プロバイダを選べる光回線にはauひかりもありますが、auひかりは一度選んだプロバイダを変更することができないので除外しています。
パターン2:【光回線の切り替え】光コラボレーションの事業者変更
事業者変更とは、光コラボレーション間でのプロバイダの乗り換えが、スムーズに行える制度です。かつての光コラボレーションは、ほかの事業者への乗り換えの際は、光回線の解約が必要でした。そのため、高額な解約違約金が発生したり、開通工事に時間がかかったりするなどの制約がありました。
しかし、事業者変更が可能になった2019年7月1日以降、現在利用中の光回線を維持したまま光コラボレーション間でのプロバイダの乗り換えが気軽に行えるようになったのです。
プロバイダの変更は各プロバイダの窓口で手続きを行うだけなので、切り替えに光回線の解約が不要になり、費用も手続きの手間も格段に緩和されています。
パターン3:【光回線の切り替え】フレッツ光から光コラボレーションへの転用
フレッツ光を利用している場合、光コラボレーションへの転用が可能です。転用するために必要な条件は、転用先のプロバイダが、光コラボレーション参入事業者であることです。転用の際には、プロバイダを変更することも、そのまま継続することもできます。
フレッツ光から光コラボレーションに転用する最大のメリットは、通信費用が安くなることでしょう。光コラボレーションを利用すると、フレッツ光にはなかったスマホのセット割が利用できたり、キャンペーンが豪華になったりする特典があります。しかも、光回線をそのまま流用(転用)するので光回線の申し込み手続きと開通工事が不要で手間もかかりません。
関連記事:ドコモ光の料金は安いの?プロバイダの選び方や申し込み特典情報
プロバイダの変更手順
では、プロバイダの変更手順について説明しましょう。
新規契約するプロバイダに申し込む
プロバイダの変更を決めたら、まず、変更先のプロバイダ窓口に新規契約手続きを申請します。手続き方法はオンライン・電話・封書・実店舗などがあります。申込窓口は、24時間受付している、オンラインが便利でしょう。
新規契約の際、事前に身分証明書や印鑑、支払い方法が確認できるキャッシュカードや通帳などを用意しておくと手続きがスムーズに進みます。
新規契約の注意点として、申し込みは現在利用中のプロバイダを解約する前に行うこと。解約後に申し込むとインターネットが使えない時期が発生したり、キャンペーンが使えなくなったりするケースがあります。新規申し込み前には、必ず事前に申込条項やキャンペーン条件を確認しておきましょう。
ただし、なかには、現在利用中のプロバイダの解約後にしか契約できないプロバイダもあるので要注意です。
利用中のプロバイダを解約する
プロバイダの新規契約を済ませたら、次は利用中のプロバイダを解約します。基本的に解約手続きはオンラインか電話で行い、解約日と解約月の利用料金を確認します。利用中のサービスによって、分割残債金の清算などが行われるので、高額請求が発生しないように事前確認しておきましょう。
解約後は以前のプロバイダから解約内容を記載したメールや書類が送られてきます。必要事項を入力・記載したら返信・返送し、受理されれば解約手続きの完了です。
デバイスの設定を変更する
プロバイダの新規契約が済むと、数日後に変更先のプロバイダから開通完了のメールと書類が届きます。光回線はそのままで、プロバイダのみを変更する場合、開通工事は行われません。
開通時に送られてくる書類には、プロバイダ会員情報や接続情報が記載されています。インターネットやサービスを利用するうえで重要な個人情報が記載されているので、紛失しないように大切に保管しましょう。
次にインターネットに接続するため、プロバイダ接続設定を行います。接続設定画面にプロバイダから発行された認証IDとパスワードを入力します。入力が正常に行われていれば、インターネットへの接続完了です。パソコンやルーターなどの接続端末にも、環境にあわせた接続設定を行いましょう。
電話番号やメールアドレスが発行されている場合、サービスが間違いなく利用できるか確認しておくことをおすすめします。
プロバイダを乗り換えたときに必要な設定
プロバイダを乗り換えたときに必要な設定について、各機器やOSごとに解説します。
ルーターの設定
インターネットの開通には、ONUやルーター機器の接続設定が必須です。設定の前に、各接続機器を光回線につなげます。光コンセントにONUやONU機能搭載のルーターを接続し、LANケーブルでパソコンなどの接続端末とつなぎます。
モデム機能があるルーターを使用している場合、電話ケーブルもあわせてつなげましょう。Wi-Fiルーターを使用する場合、LANケーブルなしでパソコンとの接続が可能です。
光回線とルーター、パソコン端末をつないだことを確認したら、各機器を起動させて接続設定を行います。
関連記事:ONUとは?入手方法/設置場所/ランプの意味や、モデムやルーターとの違いも解説!
契約時に送付された書類には、同梱されているルーターの接続設定を行うURLが記載されています。URLにアクセスし、発行されている認証IDとパスワードを入力します。市販のルーターなら、製品に同梱されている書類にURLが記載されています。接続設定が完了したら、次はパソコンOSの接続設定を行いましょう。
Windowsの設定
Windowsの接続設定は次の流れで行います。
- キーボードまたは画面左下のWindowsのアイコンを押してメニューを開く
- メニューにある「設定(歯車のアイコン)」を開いて「ネットワークとインターネット」を開く
- ネットワークとインターネット内にある「ダイアルアップ」の項目を開いて「新しい接続を設定する」をクリック
- 「接続またはネットワークのセットアップ」という項目が開くので、「インターネットに接続します」の項目を選択して「次へ」をクリックする
- 「新しい接続をセットアップします」をクリックすると次に「どのような方法で接続しますか?」と表示されるので、「ブロードバンド」か「ワイヤレス」のいずれかを選ぶ
- プロバイダから発行されたユーザー名(プロバイダIDの項目に入力)・パスワードを入力
- 「接続の準備ができました」と表示されるので「今すぐ接続します」をクリックすれば設定完了
プロバイダから送られてくるONU・ホームゲートウェイ・モデム一体型のルーターなどの場合、すでに初期設定が完了されている場合があります。必要に応じて接続設定を行いましょう。
Macの設定
Macの接続設定は次の流れで行います。
- アップルメニューから「システム環境設定」を開く
- 「インターネットとワイヤレス」から「ネットワーク」を開く
- 「ネットワーク環境」から「ネットワーク環境を編集」を開く
- 「ネットワーク環境」からプロバイダ名を入力する
- 「ネットワーク」に戻って「ネットワーク環境」から入力したプロバイダを選択
- 画面左の「Apple USB Ethernetアダプタ」を選んで適用を選択
- Wi-Fi接続設定は左側の「Wi-Fi」をオンにします。各種接続設定を変更する場合、「詳細設定」から行いましょう。
プロバイダメールの設定
プロバイダメールが発行されている場合、次のようにメール設定を行います。
受信メールサーバー
受信メールサーバー(POP3) | pop.〇〇.ne.jp |
ポート番号 | 〇〇 |
SSL | 使用する |
送信メールサーバー
送信メールサーバー(SMTP) | smtp.〇〇.ne.jp |
ポート番号 | 〇〇 |
SSL | 使用する |
認証 | 使用する |
ユーザー名 | メールアドレス |
〇の部分は契約したプロバイダごとに違うので、送られてくる書類のメールアドレス欄を確認しましょう。
プロバイダ変更後は、基本的に以前使用していたプロバイダのメールアドレスが使えません。メールアドレス単体で契約できるサービスを利用するか、バックアップを取っておきましょう。
プロバイダを乗り換えるときの注意点
プロバイダを乗り換える際、特に気をつけておきたい注意点をご紹介します。
プロバイダを乗り換えるときには、いくつか注意すべきポイントがあります。順にご説明しましょう。
回線速度の低下
回線速度はプロバイダごとに差が出る可能性が高く、同じ光回線でも通信速度が一律とは限りません。プロバイダの設備や接続方式などによって、通信速度に大きな影響を与えてしまう場合があります。利用料金だけでなく、接続方式や口コミなどもしっかり確認してから乗り換えましょう。
回線を住民が共有する、マンションなど集合住宅の場合、利用者の多いプロバイダに変えると、夜間など特定の時間帯に通信速度が落ちることがあるので注意しましょう。
月額利用料が変わる
プロバイダ変更時に気をつけるのが、月額利用料が変わることです。利用料金はプロバイダごとに設定されているため、以前のプロバイダと同じという保証がありません。安いプランに乗り換えたつもりが、初期費用やオプション料金、解約時の違約金などトータルで以前より割高となるケースもあります。
スマホや電気ガス料金などとのセット割、各種キャンペーンの有無や適用期間、オプションにかかる費用、料金が発生する条件など、プロバイダ変更前に確認しておきましょう。
特にキャンペーンでの割引やキャッシュバックは条件が設けられており、適用条件を満たさないと適用されないばかりか、違約金が発生するケースがあります。お得に見えても、実は以前より高くなることも珍しくありません。
メールアドレスが使えなくなる
プロバイダを解約すると、それまで利用していたサービスが使えなくなるため、メールアドレスも廃止されます。
これまでのメールアドレスを継続したい場合、プロバイダによってはメールアドレスのみの契約サービスを実施している会社があります。たとえば、OCNでは月額基本料金250円(275円)でメールサービスのみの契約が可能です。
メール契約に非対応のプロバイダでは、メールアドレスは引き継げません。万が一に備え、バックアップを取ることをおすすめします。
違約金の発生
プロバイダを契約期間内に解約した場合、解約違約金が月額料金相当額で発生します。2022年7月1日より法律が改定され、解約違約金は各社大幅に値下げされましたが、一部のプロバイダでは今なお高額になる可能性があります。
また、契約プロバイダで光回線工事費を分割支払いしている場合、残債分があれば解約時に解約違約金とまとめて請求されるおそれがあります。高額請求になりやすいので、解約時は違約金に十分注意しましょう。
インターネットが使えない期間が発生する可能性
プロバイダを解約すると、インターネットが使えなくなる期間が発生する可能性が出てきます。仕事で光回線を使う人は、解約するタイミングを必ず確認しておきましょう。
また、解約時には、ルーターなどをプロバイダに返却しなくてはならない場合があります。乗り換えの際には必ず新しいプロバイダ契約を先に済ませ、返却物がないかを確認しておきましょう。
プロバイダ選びのポイントとタイミング
プロバイダを選ぶときに、抑えておきたいポイントとタイミングを解説します。
次に、プロバイダを選ぶときに気をつけたいポイントと、乗り換えのタイミングについてお話しします。
回線速度
前項でも述べた通り、回線速度はプロバイダによってかなり異なります。従って、乗り換え前には、実際のユーザーの口コミなどを参考に、「実測値」をチェックしておくことが重要です。
実測値とは、理論上の値ではなく、実際に計測される数値のこと。光回線は1Gbpsとされていますが、これは「理論上は出せる」というだけで、実際に計測する環境での実現はほぼ不可能です。プロバイダや、自宅のインターネット環境によって、実測値がどれくらいになるかは異なります。
できる限り通信速度を上げるには、インターネット環境や、IPoE方式などの高速通信をサポートするオプションなどが必要になります。IPoE方式に非対応のプロバイダもあり、IPoE対応の他社にくらべて通信速度が出ないことも、珍しくありません。
通信速度の品質が高いプロバイダ選びが重要です。
月額利用料
変更するプロバイダの月額利用料は、必ず確認しておきましょう。公式サイトでは最安値を表示しているケースが非常に多く、実際の料金がわかりにくくなりがちです。
キャンペーン適用時の割引額と割引終了後の基本料金、キャッシュバックの条件などは、必ず確認してください。キャンペーン適用時の実質月額料金と、非適用時の月額料金を比較し、どの程度安く使えるかのチェックをおすすめします。
工事期間
プロバイダだけでなく、使用回線も同時に変更する場合は開通工事が必要です。光回線にはフレッツ光や独自系光回線など種類があり、選んだ光回線の種類によって開通時期が異なります。また、開通工事を行う時期や導入する環境なども影響し、開通時期が延期してしまうケースも考慮しましょう。
新生活が始まる3月など申し込みが殺到する時期、複雑な構造の建物や地形によって工事が困難な場所など、開通工事完了までに1カ月以上かかるケースがあります。光回線を契約する場合、開通工事の予約スケジュールやタイミングをチェックしておきましょう。
解約違約金が発生しないタイミング
契約期間が設定されているプロバイダの場合、契約更新月以外の解約には、違約金が発生するケースがありますので、注意しましょう。更新月はマイページやプロバイダからのメールで確認可能です。
契約期間はプロバイダ契約以外にも、ひかりTVなどオプションサービスにも設定されているケースがあるので、あわせてチェックするのを忘れないようにしてください。
また、回線工事やルーター端末などを分割購入している場合は要注意です。分割購入費用が残っている場合、解約時に一括請求されるおそれがあります。プロバイダ解約時は、「解約違約金が発生するタイミングではないか」、また、「分割工事費・分割購入費用の残債金」を確認しておきましょう。
乗り換えキャンペーンのタイミング
乗り換え時に発生する、旧プロバイダの解約違約金を負担するキャンペーンを行う事業者もあります。乗り換えキャンペーンは、事業者ごと、条件や補償額が異なりますが、4月の新生活が始まるタイミングで実施されることが多いようです。
乗り換えキャンペーンを使うと費用が安く済むこともあるので、キャンペーン情報は随時チェックして上手く利用しましょう。
※NTTドコモが運営する光回線サービス「ドコモ光」では、2023年8月1日より、他社乗り換えキャンペーンを実施しています。キャンペーンでは、他社解約金のうち、dポイントで最大11,000ptをプレゼントしています。ドコモ光はプロバイダ一体型の光コラボになりますので、プロバイダもあわせて契約することができます。光回線サービスを検討中の方は本キャンペーンを利用してドコモ光に乗り換えるのもよいでしょう。そして、プロバイダも変更するなら同じNTTドコモが運営元の「OCNインターネット」を選ぶとよいでしょう。他社乗り換えキャンペーンの詳細は公式サイトからご確認ください。
まとめ
プロバイダ変更は、基本的に利用中の光回線を継続したまま行います。最近はお得な割引を行う事業者も多いので、乗り換えを考える方も多いことでしょう。
ただし、乗り換えでインターネットを利用できない期間が発生する可能性がある、旧プロバイダのメールアドレスが廃止されるなど、知っておくべき注意点もあります。
また、事前チェックを誤ると、お得なプロバイダを選んだつもりが、回線速度の低下や、月額利用料が思いのほか高額になった、という問題が発生することもあります。実測値や実質月額料金を比較し、以前と変更先のどちらが快適に、そしてお得に使えるかチェックするのがポイントです。
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