5GとWi-Fiは何が違う?5Gのメリットや利用する方法など詳しく解説
最近、よく聞くようになった「5G」(ファイブジー)。携帯電話の契約プランにも「5G対応」など記載があるけど、なにがすごいのかイマイチ分からない・・という方もいるのではないでしょうか。
また、「Wi-Fi」と同じようなもの?と混同してしまっているかもしれません。
そこで、本記事では「5G」とはなにか?「Wi-Fi」との違い、またどんなメリットや利用方法があるかなど解説していきます。
目次
5Gとは
5Gとは、「第5世代移動通信システム」と呼ばれるモバイル回線の次世代通信規格になります。
モバイル回線とは、携帯電話の基地局から発信される電波を利用して無線通信を行うインターネット回線です。
日本では2020年3月から5Gが商用化され、NTTドコモ、au、ソフトバンクの各大手キャリアはサービスを提供開始しています。総務省による5Gの整備状況では2023年3月末時点で全国の人口カバー率は96.6%にまで達しています。
Wi-Fiとは
Wi-Fiとは、LAN(ローカルエリアネットワーク)という近距離型のエリアで無線通信を行うための通信規格になります。
2009年策定のWi-Fi 4から末尾にナンバリングが表示され、2020年策定のWi-Fi 6Eが日本で普及している最新のWi-Fi規格になります。
関連記事:Wi-Fi 6とは?数字の意味やWi-Fi 5/5Gとの違い、通信速度が速くなった理由も解説
5GとWi-Fiは何が違うのか?
5Gは、モバイル回線でWi-Fiは無線LANの通信規格になります。
5Gがインターネット回線そのものを指すのに対して、Wi-Fiは通信規格という違いがあります。ただ、どちらも「無線通信」をするために利用するものという点では共通していますので混同しやすいかと思います。
ほかに、5GとWi-Fiの違いを解説していきます。
モバイル回線はパケット通信料がかかる
5Gは携帯電話の回線を利用してパケット通信を行います。パケット通信とは、データを一定のサイズに小さく分割して送る方式になります。この分割されたデータの単位をパケットと呼びます。
一方、Wi-Fiは5Gのように携帯電話の回線を使わないため、パケット通信料がかかりません。Wi-Fiだとインターネットが無料で使えるといわれているのは、このパケット通信料が発生しないからです。
周波数帯が異なる
周波数とは、1秒間に繰り返す波のことをいいます。この周波数の単位はヘルツ(Hz)であらわします。たとえば1Hzは1秒間に1回揺れる波を意味し、電波の振動回数として用いられています。ちなみに、周波数帯でよく用いられる単位はギガヘルツ(Ghz)で1Ghz=10億hzに相当します。
5Gでは、3.7Ghz、4.5Ghz、28Ghzの3つが、そしてWi-Fiでは2.4Ghz、5Ghzが主に周波数帯として使われています。周波数帯が異なることで、電波干渉の影響を防ぎます。周波数が大きいほど1秒間に送るデータ量が多くなるため、高速通信になります。
低い周波数は、波長が長いため遠くまで電波を届けることができるというメリットがあります。そのため、利用シーンにおいて単純に高周波数のものがよいとは限りません。
5Gのメリットとは
ここまで、5GとWi-Fiの違いをみてきました。Wi-Fiにはパケット通信料がかからないというメリットがありましたが、5Gには、次の3つのメリットがあります。
- 通信速度が速くなる
- 多数の機器との同時接続が可能
- 通信の遅延(タイムラグ)が非常に小さい
- 回線工事が不要
それぞれのメリットを1つずつ紹介します。
通信速度が速くなる
メリットの1つ目は、通信速度が速くなることです。
前世代の4Gでは、下り(ダウンロード)時の最大通信速度が約1Gpsでしたが、5Gでは約20Gpsと超高速です。これは、たとえば2時間の映画であれば3秒でダウンロードが完了する速さに相当します。
5Gの周波数帯は最大28Ghzと、4Gでは3.7Ghz帯、Wi-Fiでも5Ghz帯と他と比べても圧倒的な速さを実現することが可能となりました。
多数の機器との同時接続が可能
メリットの2つ目は、より多くの機器と多数同時接続が可能になることです。
従来の多数同時接続はスマホやパソコンなどの端末と基地局で通信をする際に、端末側が利用する周波数帯や時間について、事前に基地局からの許可が発行された後に、許可された方法に従ってデータを送信するというやりとりが発生していました。
そのため、4Gでは、1平方キロメートルあたり、同時接続できるのは約10万台程度でした。
しかし、5Gでは「Grant Free」(グラントフリー)という通信方式を導入することで、従来発生していた事前の許可が省略され、通信のやりとりがスムーズになりました。この方式により4Gと同様の比較で約100万台の同時接続が可能となりました。
通信の遅延(タイムラグ)が非常に小さい
メリットの3つ目は、通信の遅延(タイムラグ)が非常に小さいことです。
5Gでは帯域幅を大幅に拡大しました。ここに帯域幅とは、周波数の幅のことであり最高周波数と最低周波数の差になります。帯域幅はデータの通り道で、帯域幅が広いということは、道路でたとえるなら1車線の道路と5車線の道路の違いになります。
道路車線が増えたことで、通信速度自体が速くなるわけではありませんが、データ通信の渋滞起きにくくなり、結果、通信量が増大しても遅延が発生しにくくなります。そして、5Gの遅延(タイムラグは)は4Gの10分の1程度に抑えることが可能となりました。
回線工事が不要
メリットの4つ目は回線工事が不要なことです。
正確には5G特有のメリットではありませんが、回線工事が不要という点は見逃せないので挙げました。
5Gはモバイル回線であるため、携帯電話の基地局までの間、電波の送受信は無線接続にて行われます。光回線のような固定回線の場合は、宅内に光回線を導入するための回線工事が必要になる場合があります。3月の引越し時期などの繁忙期にはインターネットの利用まで1カ月以上待つ場合があります。
対して、モバイル回線は工事が不要なので、すぐにインターネットを利用することが可能です。たとえば、NTTドコモのホームルーター、home 5Gのサービスではルーターのコンセントを挿すだけで利用できるので、導入の敷居が低いといえるでしょう。
5Gは何ができる?
では、5Gは実際にどの分野で利活用できるのでしょうか。5Gは主に携帯電話の利用において利便性が向上するというイメージが先行していたかもしれませんが、多様な分野での活用が期待されています。
・農林水産業
ドローンや無人農機を5Gで制御し、人手要らずの農業に
・交通、移動、物流
完全自動運転を実現し、モビリティ・エンターテインメントが登場
・スマートシティ
街中の交通情報が整理され、渋滞の解消される世界
・建設、土木
ドローン等を用いて3次元データで現 状地形を把握し、設計図を作成、施工 土量等の算出
・エンタメ、ゲーム、観光
どこでも超臨場感、超没入感を楽しめるユーザ 体験を実現
・教育、文化
全ての学校にICT教材が導入され、五感を使った体験型授業が増加
・医療、健康、介護
遠隔地から手術が可能になり患者さんの負担軽減、医療の均質化が実現
・ショッピング、金融、決済
電子決済が普及し、支払いの無人化、ショップスタッフはサービス の提供に特化
・スポーツ、フィットネス
スポーツ市場のウェアラブル端末が 増加。運動中のやりとりが可能となり、 運動管理が容易に
・工場、製造、オフィス
工場内の設備を全て5Gで接 続し、リアルタイムな制御や メンテナンスを可能に
・政府、自治体
政府、自治体と市民がより シームレスにつながる社会
・安心、安全
ウェアラブル端末・ロボットの導入により、警備を強化
・スマートホーム、ライフ
冷蔵庫の中身からレシピを判断 、 足りない食材は自動で調達
5Gは本当に便利?デメリットとは
注目を集めている5Gですが、メリットばかりなのでしょうか。実は以下のようなデメリットも考えられています。
- バッテリーの消費量が大きい
- データ通信量を多く消費しがち
- 使用制限がある
それぞれのデメリットを1つずつ紹介します。
バッテリーの消費量が大きい
5G対応機器はバッテリーの消費量が大きい傾向にあります。4Gよりも高速通信が可能になっているぶん、機器が一度に行う仕事が増え、バッテリーの消費量が大きくなるのが理由の1つです。
5Gはまだ新しい技術で、十分対応できる機器やバッテリーが出てきていない、という現状があります。これからの技術の発展次第で、バッテリーの消費量が抑えられる可能性はあるでしょう。
データ通信量を多く消費しがち
5Gは通信速度が速いため、データ通信量を多く消費しがちです。そのため、スマホのデータ通信量上限のあるプランに入っている場合、すぐに上限を超えてしまう恐れがあります。
たとえば、NTTドコモの5G対応プランには「5Gギガホプレミア」「5Gギガライト」などがあります。5Gギガライトは使ったデータ通信量に応じて、段階的に料金が決まるので料金を節約したい人に人気です。
しかしデータ量上限が7GBなので、5Gのような高速通信だとすぐに超えてしまう恐れも。5Gギガホプレミアに入ることで、データ量を気にせず安心して利用することができます。
使用制限がある
5Gはいつでも、どこでも使用できるわけではありません。5Gは対応の機種とエリアでなければ使用できません。
ちなみに、NTTドコモでは5Gに対応した機種を販売していますので気になる方は公式サイトを確認してみてください。また、対応エリアについても公開していますのであわせてサービスエリアマップをご確認ください。
5Gを利用するにはどうすればいいのか?
5Gを利用するには、対応した機器を使用する必要があります。5G対応の機器にはスマホのほかに、ホームルーターやポケット型Wi-Fiがあります。
5Gの通信速度はどのくらい?
5Gになり通信速度が飛躍的に向上したとはいえ、これはあくまで理論値になります。実際にはどの程度の速度になるのでしょうか。現在、もっとも速い光回線と比較してみました。
下記の表は5G対応のホームルーター(ドコモ home 5G)、ポケット型Wi-Fiと光回線の比較になります。
平均ダウンロード速度 | 平均アップロード速度 | |
---|---|---|
ドコモ home 5G | 188.27Mbps | 19.56Mbps |
ポケット型Wi-Fi | 25.81Mbps | 8.63Mbps |
光回線 | 369.26Mbps | 308.47Mbps |
※参照:みんなのネット回線速度(みんそく)2024年10月時点
※IPoE接続、PPPoE接続両方含めての平均速度
インターネット回線は光回線が最速
5Gの通信速度を光回線と比較したところ、光回線の方が圧倒的に速いことがわかりました。なぜ、このような差がでるのでしょうか。通信速度は、回線やルーターの種類、利用場所など様々な要因によって決まります。
ただ、主な要因としてはモバイル回線か固定回線かの違いが大きいでしょう。モバイル回線は携帯電話の基地局から発信される電波を受信して無線通信を行うため、スマホやパソコンなど接続端末との間にドアや壁などの遮蔽物があると電波が弱まります。そのため、5Gがいくら高速とはいえ、それは理論上の速さであり実測値になると光回線には及びません。
光回線は固定回線のため、モバイル回線のように外出時は利用できないのが難点です。しかし、Wi-Fiルーターを使用していたとしても、光配線方式であればONU(光回線終端装置)までは光ファイバーがとおるため、モバイル回線よりも高速な通信が可能です。
したがって、自宅でインターネットを利用するのであれば、現状、光回線がベストといえるでしょう。
ただ、築年数の古いマンションでは、光回線が導入されている種類によっては思ったほど通信速度が速くないということもあります。気になる方は下記の関連記事も参考にしてみてください。
関連記事:光回線にも種類がある!マンションに導入済の「光回線の種類」を確認する方法
光回線はNTTドコモの「ドコモ光」がおすすめ
光回線事業者も様々ですが、おすすめはNTTドコモが運営する「ドコモ光」になります。ドコモ光は2021年2月時点で700万回線を突破し、今なお契約数は伸び続けています。利用者数が多いのは、それだけ信頼と実績があるからといえます。
ドコモ光を選ぶメリットは、ほかにもありますので詳細は下記の関連記事を参考にしてみてください。
関連記事:ドコモ光を選ぶメリットとは?申し込み特典やプロバイダの通信品質が決め手!
そして、光回線を通じてインターネット接続をするためにはプロバイダとの契約も必要になります。NTTドコモを運営元として、プロバイダも一貫させるなら「OCNインターネット」を選択するのがよいでしょう。
OCN インターネット×ドコモ光で申込むと、現金還元やルーターなどの特典を受けることができます。詳しくは公式サイトを確認してみてください。
OCNインターネットでは高速で安定した通信が可能なIPoE方式(IPv4 over IPV6)のインターネット接続を標準提供しており、WiFiルーターの設定など、インターネットに接続するまでの作業を大変だと感じる方には初回無料の訪問サポートもしてます。
関連記事:OCNとは?OCN インターネットのメリット・デメリット
まとめ
5Gについてまとめると、以下のようなことが言えます。
- 5Gは「インターネット回線」、Wi-Fiは「通信規格」
- 5Gは通信速度の速さに期待されている
- 今後、日本全国に広まっていくことが期待される
5Gは通信速度の速さが注目されていますが、世間で言われている速度はあくまでも理論値なので実際はそこまで速度は出ません。今回紹介したメリット・デメリットもふまえて、あなたにとってベストの選択をしてもらえたら幸いです。
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