
みなさん、光回線の速度はどの程度かご存知でしょうか。
みんなのネット回線(みんそく)で計測した場合には、光回線のインターネット回線速度(通信速度)は、下り(ダウンロード)平均「339.47Mbps(メガビット毎秒)」でした。(参考:みんなのネット回線速度(みんそく))
ほとんどの光回線は下り最大1Gbpsで横並びなのですが、これは理論上の最大速度なので「実質速度(実測値)」を見ておくことが大切です。
この記事では、光回線の
■実質速度をもとにした比較
■用途ごとの目安速度
などを紹介していきます。
【この記事のポイント】
インターネット回線速度には、下り(ダウンロード)速度と上り(アップロード)速度があります。
比較のために、光回線とその他の回線を下の表にまとめました。
また応答の速さを示す「Packet INternet Groper値(以下、Ping値)」の平均も比較しています。
回線名 | 平均通信速度 (下り) |
平均通信速度 (上り) |
平均Ping値 |
光回線 | 339.47Mbps | 255.57Mbps | 20.44ms |
ADSL | 8.12Mbps | 2.68Mbps | 54.41ms |
ポケットWi-Fi | 57.0Mbps | 12.41Mbps | 43.96ms |
ホームルーター | 144.98Mbps | 16.14Mbps | 56.21ms |
※参照:みんなのネット回線速度(みんそく)
※2022年12月時点で集計した全国の平均速度
※IPoE接続、PPPoE接続両方含めての平均速度
「bps」とは、回線を1秒間に通過するデータ量の単位です。
この値が大きければ大きいほど、通信できるデータ量が大きい=通信速度が速い、ということが言えます。
なお「bps→kbps→Mbps→Gbps」の順に、1000倍ずつ単位のサイズが大きくなります。
Webサイトを閲覧したり動画を視聴したりする際は、インターネットから「データをダウンロードする」ということなので、一般的に下り速度が重視される傾向です。
上の表を見ると、光回線の下り平均速度はホームルーターの約2倍、上り平均速度にいたっては約13倍となっています。
「Ping値」とは、インターネット通信の応答の速さを示す値で、簡単に言うとタイムラグのようなもの。
Ping値の単位は「ms(ミリ秒)」です。
msは1000分の1秒なので1ms=0.001秒、10ms=0.01秒ということになります。
光回線の平均Ping値が27.2msなので、平均的に0.0272秒のタイムラグがある、ということになります。
表を見るとホームルーターなど他の回線よりPing値が小さいので、光回線は比較的タイムラグが小さい回線ということが言えるでしょう。
光回線のインターネット回線速度は、全国一律ではありません。
地域ごと、正確に言えば都道府県ごとに、光回線のインターネット回線速度は違います。
一部都道府県の、光回線のインターネット回線速度を、下の表にまとめました。
都道府県名 | 平均通信速度 (下り) |
平均通信速度 (上り) |
平均Ping値 |
北海道 | 313.51Mbps | 248.3Mbps | 27.41ms |
青森 | 267.11Mbps | 217.84Mbps | 23.71ms |
東京 | 378.33Mbps | 358.1Mbps | 9.82ms |
千葉 | 361.43Mbps | 336.0Mbps | 13.27ms |
神奈川 | 385.91Mbps | 347.83Mbps | 10.99ms |
静岡 | 399.21Mbps | 313.06Mbps | 21.5ms |
愛知 | 426.3Mbps | 372.51Mbps | 17.45ms |
大阪 | 394.33Mbps | 343.61Mbps | 17.78ms |
高知 | 383.09Mbps | 305.63Mbps | 24.25ms |
福岡 | 344.39Mbps | 277.18Mbps | 26.58ms |
沖縄 | 226.49Mpbs | 178.44Mbps | 42.5ms |
※参照:みんなのネット回線速度(みんそく)
※2022年12月時点で集計した、都道府県別の光回線の平均速度
※IPoE接続、PPPoE接続両方含めての平均速度
こうしてみると、下り・上りの「通信速度」、ラグに関係する「Ping値」とも、都道府県ごとに差があることがわかります。
光回線のインターネット回線速度に地域差が出る理由は、
・インターネット利用者の数
・プロバイダの設備数
などが、都道府県ごとに違うからです。
仮にインターネット利用者の数が少なくても、プロバイダ数も少ない都道府県の場合は、結果的に回線が混雑して、速度が遅くなります。
そもそもインターネットを利用する上で、どれくらいの通信速度があれば快適だと言えるのでしょうか。
用途ごとに必要となる通信速度の目安を、下の表にまとめました。
用途 | 平均通信速度(下り) | 平均通信速度(上り) | 平均Ping値 |
---|---|---|---|
メール・SNS | 1Mbps (画像表示:3Mbps) |
1Mbps (画像投稿:3Mbps) |
– |
動画視聴(YouTube・Netflixなど) | 5Mbps (4K画質:25Mbps) |
– | – |
Web会議(Zoom) | 3Mbps | 2.5Mbps | – |
オンラインゲーム | 30Mbps (大人数対戦など:100Mbps) |
– | 50ms (大人数対戦など:30ms) |
それぞれ用途ごとに詳しく解説します。
メール・LINEなどでのメッセージの送受信では、下り速度・上り速度ともに最低1Mbpsあれば問題ありません。
ただしTwitterやInstagramなど、画像が多く投稿されているSNSもあります。
下り速度・上り速度ともに3Mbpsあれば、画像も問題なく表示・もしくは投稿できます。
YouTubeを快適に視聴するには、下り最低5Mbpsあれば問題ありません。
YouTubeでは「HD画質」での動画視聴の際に、下り5Mbpsが推奨されているためです。
もし4K画質(HD画質の4倍の解像度)で視聴したい場合は、下り最低20Mbpsが必要です。(参照:YouTube「システム要件」)
Netflixを快適に視聴するにはYouTubeと同様に、下り最低5Mbps必要です。
なお4K画質を視聴する場合は15Mbpsが必要となっています。(参照:Netflix「推奨されるインターネット接続速度」)
Web会議アプリ「Zoom」では下り・上りともに速度3Mbpsあれば、問題なくビデオ通話を利用できます。
HD(1080p)画質で1対1のビデオ通話を利用する際は、下り・上り速度1.8Mbpsが推奨。
グループでのビデオ通話を利用する際は、下り・上り速度3Mbpsが推奨されています。(参照:日商エレクトロニクス「Zoom-Support」)
ただしこれはZoomのみを端末(パソコンなど)で開いている場合です。
端末で別の作業をしたり、ファイルを転送したりする場合は、さらに通信速度が必要な場合があります。
オンラインゲームによって必要な通信環境は大きく異なりますが、下り速度30mbps以上・Ping値50ms以下あれば問題なく遊べるものが多いです。
ただし大人数で行う対戦ゲームなどでは、下り速度100mbps以上・Ping値30ms以下が推奨されているものもあります。
ここまでまとめると、通信速度が下り100mbps・上り30mbps、Ping値が30ms以下であれば、困る状況に陥ることは少ないと言えます。
上の表を見ると、これを満たすのは光回線のみ。
つまり何の用途でも快適にインターネットをしたい人は、光回線を選べば失敗が少ないと言えるでしょう。
インターネット回線速度が速い、人気の光回線をご紹介します。
光回線には、「光コラボレーションモデル」と「独自回線」があり、それぞれ、速度・乗り換え時の手軽さなどにメリット・デメリットがあります。
OCN 光・ドコモ光・楽天ひかりなどは、フレッツ光回線をNTT東日本・西日本から借り受けて提供する「光コラボレーションモデル(以下、光コラボ)」です。
フレッツ光回線を利用しないNURO 光・auひかりなどの回線は、一般的に「独自回線」と呼ばれています。
光コラボの中では、OCN 光が特に安定して人気を保っています。
OCN 光が人気の理由は、
などにあります。
OCN 光は、IPoE方式(IPv4 over IPv6)という最新式のインターネット接続方式を標準装備しているため、もともと回線が混雑しにくく、ラグも少ないと評判です。
さらに「IPoEアドバンス」という月額1,848円(税込)のオプションサービスをつければ、さら快適な通信環境が整います。
一瞬のラグが命取りになるオンラインゲームやeスポーツユーザーはもちろん、テレワークのウェブ会議、オンライン授業などをよく使う、という人にもおすすめです。
また、こうした高品質なインターネット回線を、月額3,960円(税込)という低価格から使えるのも大きな魅力です。
独自回線は通信速度の速さをアピールしているところが多い傾向で、例えばNURO光だと「通信速度が下り最大2Gbps」が強みです。
ただしこれは理論上の速度なので、実測の平均速度では上の表の通り、約4分の1程度に収まっています。
例えばフレッツ光回線がすでに自宅に繋がっている場合、独自回線を利用するには新たに工事が必要となります。
フレッツ光回線(光コラボ含む)は全国シェア率64.0%(※参照:ブロードバンド回線事業者の加入件数調査)なので、すでに自宅にフレッツ光回線が繋がっている住宅も多いはずです。
先述したように、あらゆる用途にしても「100Mbps」あれば困ることは少ないです。
そのためフレッツ光回線が繋がっている人は、光コラボ回線を検討するのがベストでしょう。
この記事で解説してきたことをまとめると以下の通りです。
「自宅のインターネット回線が遅いと感じている」
「快適なインターネット回線に加入したい」